鏡の森

地獄を生き延びたワケありエンジニアによる手記

母と中学受験

 

毎年この時期になると中学受験を思い出す。

 

母親が学歴主義で自分をいい学校にいかせようと必死だった。

 

自分もへたに勉強ができてしまったから期待をかけられた。

 

毎週月・水・金は塾に通い、夕飯は母が作ったお弁当。

 

途中から日曜日も塾に通うことになった。

 

夕飯のお弁当はいつしかカロリーメイトウィダーゼリーになった。

 

夜9時頃に塾が終わり、夜の街を一人で歩いて家に帰る。

 

家のマンションの駐車場でカップルがカーセックスしてるのをたまに見かけた。

 

黄色いランプの下で肌色がもぞもぞと動いてる。

 

まだオナニーすらおぼえてない子供には刺激が強かった。

 

塾と学校と家を行き来する毎日だったが不思議とつらいとは思っていなかった。

 

母の期待に応えたかったのだろうか。

 

中学受験は成功して無事第一志望の学校に入学するのだが、結局のちに中退することになる。

 

なぜだか学校には馴染めなかった。

 

母が期待する自分にはなれなかった。

 

母は体調を崩し家にこもりがちになり、自分はフリーターとして生活してた。

 

両親は離婚、自分は大検をとって大学に行くことになるが、そこは母が期待してたようなところではないいわゆるFラン大学。

 

大学の友達はみんないいやつだけど、母親に言ったらどう思うのだろうか。

 

誇れる大学名ではない。それはわかってる。

 

就活でも苦労した。

 

結局だれも知らないような小さい会社に入った。

 

母はどう思うのだろうか。

 

世間からはどう見られてるのだろうか。

 

今の居場所を全肯定できない自分がいる。

 

未だに親の価値観とか世間の価値観に縛られてる。

 

母からの愛をいまだに求めてるのかもしれない。

 

「自分がどうしたいかが一番大事」っていうけど、よくわからなくなってきた。